フォトプリンタ プリント画質比Vol.2





染料インク使用のインクジェットプリンタの印刷画質の比較をしてみました。比較した機種は、キャノン製でプロも使用するA3ノビ対応プリンタと、エプソン製でA3まで印刷できる複合機で最も高画質な機種。
どこまで画質や色調の差が生じるか、キャノン純正紙(光沢ゴールド2L版)を使ってプリントして比べてみました。
CANON PIXUS PRO9000


プロ・ハイアマチュア用のA3プリンタ
4,800×2,400dpi、8色インク

2006年冬に発売
EPSON EP-V10

複合機(プリンタ+スキャナ+コピー)
5760×1440dpi、6色インク
2015年秋に発売


原画

CANON PIXUS PRO9000 EPSON EP-10VA
キャノンの純正フォトペーパー(光沢ゴールド)での比較

光沢ゴールド


色補正なし


自然な色合い


オートフォトファインEX(標準)


オートフォトファインEX(風景)


高彩


【比較結果】
@発色
・ PRO9000は、オリジナルに近く、誇張しすぎず自然な色合いだが、紅葉の赤い部分がやや橙色ぎみに寄っていた。
・ EP-10VAは、用紙設定とは別に印刷モードがたくさんあるので、どれを選ぶか迷った。
  → 「自然な色あい」が最も原画に近い発色と感じたが、青部分の薄めな発色が気になった。
  → 「色補正なし」も原画に近い発色だが、赤の発色が少し悪いのと、空の青が妙に濃紺がかった色になってしまった。
  → 視覚的な印象は、「高彩」が鮮やかでインパクトが強いが、赤の表現が少し強すぎた。
  → 「オートフォトファインEX(標準)」は、暗部を明るく持ち上げる傾向があり、コントラストが柔らかめになって、ぼやけた感じになった。
  → 「オートフォトファインEX(風景)」は、少し鮮やかさ増した。コントラストも若干強くなって、キャノン機のコントラストに近い仕上がりだった。
 赤の部分の誇張を我慢すれば、「高彩」の発色が鮮やかで、それでいて各色が破たんすることもなく、好印象を持った。次に選択するとしたら「オートフォトファインEX(風景)」だろうか。オートファインEXは、逆光補正やポートレートなどの柔らかな表現には役立つのかもしれないと思った。

A解像度
・ どちらもすばらしく、ほとんど差がないと感じた。

【総評】

・ 最も原画に近い発色は、キャノンのプロ機であった。ただ、抜けるような青空を表現するには、どの機種も不得意だった。
・ 使用した用紙が、キャノン純正の物だったため、エプソン機には不利かと思ったが、しっかり対応して印刷できていた。
・ キャノンのプロ専用プリンタの方が、エプソンの一般家庭レベルのハイエンド複合機よりもレベルが高いはずだが、キャノン機はエプソン機より10年近く前に発売されたものなので、その間の技術力の向上がその差を埋めているのかもしれない。