深雪の三瓶山 |
2014.1.24 三瓶山登山(北の原→男三瓶) |
||
正月の積雪の大山登山に味をしめ、今度はたくさんのクライマーで踏み固められたルートをアイゼンで歩くのではなく、誰も立ち入らない深雪の中をカンジキで歩きたくなりました。 ということで、カンジキ(スノーシューやワカンなど)を物色していました。スノーシューの方が沈み方が少ないそうですが、ワカンの方が安く、また勾配にも強いということで、アイゼンと併用できるものをネットで購入。準備万端で天候の回復を待つ日々が続きました。 ようやく1月23〜24日にかけて晴天になるとの予報が出て、すかさず24日に休日勤務の代休を取り、三瓶山へ向かったのでした。 冬季は西側から攻めるルートがなだらかでアタックしやすいということでしたが、敢えて急峻で風当たりの強い北側のルートから登ることにしました。理由は、樹氷や風紋など冬ならではの景色が見れるとの期待からでした。 北の原にある三瓶自然館の駐車場に車を置き、ワカンを付けて準備万端で登り始めたのですが、最初は割となだらかで、人が歩いたルートをトレースしていけばよく、シューズだけでも歩ける状態でした。途中、取り回しの面倒なワカンからアイゼンに履き替え、「案外楽ちん」とルンルン気分でした。 しかし、30分もすると、ルートも消え、だんだん雪深くなり、そして斜面がきつくなり始めました。 そこで、アイゼンを付けたままワカンを再装着し、いざ直登! 道なき道を行くスリルは楽しいものでしたが、なにせワカンを付けても膝まで埋まる深雪に大苦戦。ラッセルしながら、もがきつつ少しずつ進むが、ほとんど前進しない。 少し休憩していると、60歳代の2人組のクライマーが登ってきて、私を追い抜いてくれた。 しばらくは、その人たちが付けてくれたラッキーな道を辿りながら、割と楽に登れたのですが、それじゃワカンのテストにも雪山の訓練にもならない。そう気づいてからは、ルートを外れ、深雪の中を自分で道を付けながら登りました。 8時半に登山を開始し、男三瓶の頂上にたどり着いたのが14時過ぎ。なんと6時間近くも費やしたのでした。(無雪期なら2時間もかからない) 頂上小屋で一息つこうと思い、戸を開けようとするが、雪に埋まって開かない。すると、中から声が。「窓から入れますよー」と、先ほどの2人組でした。小さな窓からかろうじて中に入り、ほっと一息。ガスバーナーでラーメンを作り、遅めの昼食。そして、談笑しながらパワー回復!!! 2人組は先に下山したが、「1時間もあれば下山できますよ」という言葉を信じ、もうしばらく1人きりでくつろぐ。 広大な頂上台地をしばし独り占め。静まり返った雪原にただひとり。んー、なんて気分なんだろう。 女三瓶・子三瓶・孫三瓶、そして光り輝く素晴らしい雪原の写真を撮って、16時前になり、そろそろ下山の支度 下りは、本当に滑るようにどんどん降りていくことができました。大きな段差や急激な坂でなければ、ルートなど関係なく、どこへでも下りることができる。これが無雪期なら、滑落死だろうけど、柔らかい雪がショックを見事に吸収してくれる。 途中でホットコーヒーで贅沢な休憩をとり、北の原まで予定通りの1時間で下りることができました。 今回は、本当にいい経験をしました。 大山のときは、雪面が硬く、アイゼンで簡単に登れたのですが、今回の柔らかい深雪となると、スノーシューやカンジキを付けても、そう簡単に登ることはできないということに気付かされたことが、一番の収穫でした。 何年か先は、人を寄せ付けない酷寒の北アルプスを制覇したい、そう思うのでした。 |
||
9:11 姫逃池コースから登山開始 |
まずは、ワカンを初装着 |
しかし、あまりにも歩きやすいため、途中でアイゼンに切替え |
途中までは、こんな感じで、あまり苦労せずに登れたが |
10:23 途中で雪深くなり、ルートも消えて、再びワカンのお世話に |
ワカンを付けていても膝下まで埋まる。 でも、まだこの頃は序の口だった。 |
だんだん雪の深さと急な斜面に行く手が阻まれ、しばし休止 |
13:50 雪と格闘すること5時間。やっと小高いピークに出た。尾根伝いにあの頂上まで登ると、男三瓶の頂上台地か。 |
予想通り、登り詰めたら、頂上の展望台が見えた。 |
14:12 頂上です。素晴らしい雪景 |
頂上小屋で一服しようとするが、ドアが開かず、窓から侵入 |
14:40 小屋でラーメンを作り、遅めの昼食 |
女三瓶 |
右:子三瓶、左:孫三瓶 |
雪に穴をあけた足跡は、時間とともに周囲の雪が強風に飛ばされ、圧雪になった足跡だけが浮き上がる。 |
無雪期ならロープから出たら、滑落するけど、積雪期はそんな心配は無用。どこでも歩ける。 |
15:40 さて、名残惜しいが、頂上小屋をあとに下山を開始 |
16:18 下山途中、至福の一杯 |
17:05 下りてきました。姫逃池も雪の中 |
17:34 駐車場に到着 |
帰りは程よい疲れが心地よい・・と思っていたら、夜は職場の「青少年見守りパトロール」が待っていたぁ! |
GPSによる登山行程の測定結果 世の中便利になりましたね。 地図とコンパスの使い方に慣れていないため、ルートの見えない雪山を遭難せずにどうやって登ろうかと思案していたところ、GPSを利用したスマートフォン用の現在位置を追尾してくれるソフトがあった。 左表は、その結果をグラフ化したもの。 いろいろなグラフで結果を分析してくれる。 |
|
ルートマップ 国土地理院の地図を利用した追跡マップ 右側が登りで、左側が下り。 地図表示も、こうして画像として残してくれる。 登山中も、常に歩いた後をリアルタイムに表示し、現在位置も教えてくれるので、絶対に迷うことはない。 現地の地図情報は事前にスマホの中にダウンロードしておけるので、当日に必要な通信はGPSのみで、機内モードにしてネット通信を停止しておけば、節電効果も期待できそう。 実際、まる一日(9時間)追尾させておいたが、バッテリーは半分しか減っていなかった。 |
(おまけ) 無雪期との違い | |
登山道 入口 |
(入口で既に積雪が1mを超えていた) |
途中のルート |
(前半はこのように歩きやすかったが) |
もうすぐ頂上 |
(周りが開けてきたところ。風も強くなってきた) |
男三瓶の頂上小屋 |
(雪で扉が開かなかった) |
頂上の標柱 |
(頂上は風が強いため、そんなに積もらない) |
(おまけPart2) 無雪期との違い 特大サイズ |
2011.11.12 |
2014..2.24 |