トップへ   立山・剱岳(テント3泊)
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2015.9.3〜6 立山・剱岳

年に一度の北アルプス登山。
H24西穂高(独標)、H25北穂高、H26槍ヶ岳と続き、今年は念願の剱岳に決定

周到な準備をし、8月末から続く連日の悪天候に週刊天気予報とにらめっこしていたが、大きな崩れはないと判断し、安心して出発した。
しかし、4日間の行程中、晴れたのは半日だけで、3日のテント泊の全てが大雨。
おまけに到着が2時間遅れ、プランを練り直すことに

当初計画していたプランは、余力があるうちに剱岳に登るというプランであり、到着した翌日に劔岳登頂、その翌日は、時間の許す限り立山縦走を楽しんで、一日を残して帰宅して、最後の休日は自宅で身体を休める計画だった。
室堂についた時点でプランを練り直し、雨の中の剱岳は滑落の危険があるため、雨の降る前半に立山に登り、晴れ間が期待できる3日目の午前中に劔岳に登って、その足で急いで室堂まで降りて、帰路に向かうというプランに変更

少々最終日がオーバースケジュール気味だったが、剱には朝早く登れば、その日のうちに室堂の最終バスに間に合う予定だったが・・・

【1日目】

前日、少し遅れて自宅を出発し、途中で4時間程度の仮眠。
疲れもなく立山駅の無料駐車場に到着

荷物整理をしていた、マグカップを忘れたことに気付き、駅構内の売店で、キャプテンスタッグ製のマグカップを購入
室堂に着いたときは、空一面にどんより雲が。今にも泣きだしそうな空模様である。

この日は、室堂から雷鳥沢キャンプ場までの1時間弱の行程のみで、そこで一泊
夕方から雨が降り始め、夜間から早朝にかけて、激しく降り続いた。夜中にベンチレーターの穴から雨水が入ってきてシュラフを濡らしたが、早めに気付いたので、大事には至らず

【2日目】

朝になっても本降りの大雨は続く。
立山縦走に向かう予定だが、テンションは上がらず。しかし、じっとしていても仕方がないので、とりあえず立山主峰の雄山を目指すことにした。
無事に雄山に登頂し、そこから縦走路に入ったが、雨と濃霧でほとんど視界が遮られ、足場も悪いため、途中で縦走を断念し、引き返す。
キャンプ場に戻り、昼食を済ませて、小雨のタイミングを見計らって、テントを撤収し、剱岳登山の起点となる剱沢キャンプ場へ移動。
途中、何とか大雨に見舞われずに済んだが、剱沢についてから、運悪く雨が降ってきて、おまけに風も強くなり、テント設営に苦労するが、なんとか無事に設営完了
この日も、終日雨粒がテントを叩き続けた。
腹具合が悪く、夜中に2度トイレに駆け込む。下痢気味の便が出たが、たいしたことはなさそう

【3日目】

4時に起床、早目の朝食を済ませ、劔岳登山の準備をして、テントに南京錠を閉めて、いざ出陣
本当は、当日中に帰路に向かう予定であったため、暗いうちから登り始めたかったが、初めてのコースのため、安全のため周りが確認できる明るさになるまで待ってから出発した。

順調に歩を進めたが、カニのタテバイ下で、先行する2組の初心者パーティが大渋滞を起こす。
なんと、ガイドの説明を受けながら講習会のようにほぼ静止状態で行く手を占有し、ハーネスの取扱い方を教わりながら亀のように登り始めた。通常は数分で登る部分を何十分もかけたため、大渋滞が発生し、時間を大きくロスした。
このせいで、午前中に戻ってテントを撤収して下山する予定が大幅に狂うことになる。
頂上を踏まずに途中で引き返そうかとも考えたが、何のために島根からの長い道のりをここまで来たのか自問自答を繰り返すうちに、頂上を極めてすぐに下山することに、考えがまとまった。

タテバイを通過した後は、少々停滞を繰り返しながら、念願の劔岳頂上に登頂。その後の予定があるので、記念写真を撮って、数分で下山を開始。

帰りの難所、カニのヨコバイがどれかがわからずに通り過ぎてから気付き、写真に収められなかったのが残念。
今思えば、ヨコバイの方が危険度があった。というのも、ヨコバイの真ん中どころで安定して足が置けおけそうな岩がない部分があり、冷や冷やしたが、なんとか滑らずに渡れた。

キャンプ場に戻ってきたのが12時過ぎであったため、すぐに昼食を済ませて、撤収しなければ、予定している16時台の室堂発のバスには乗れないと思ったが、心身ともに疲労感が強く、おまけに吐き気で食事がなかなか喉を通らず、やっとのことでチキンラーメンを食べることができたというありさま。
こういうときに焦って行動するとこくなことにならないと思い、当日の下山を諦め、予定外の一泊をすることにした。
幸いにして、食糧はもう一日分は残っていたし、近くに山荘もあるので、食事には困らない。もっとも吐き気のため食べ物はなかなか口にできなかったが。
そうなったら、思う存分休憩しようと、夕方近くまでテント内で仮眠をとった。

しかし、こんなことなら、もっと剱岳頂上を満喫しておくのだった。
途中の行程ももっとゆっくりと景色を見ながら、コーヒーでも燻らせながら、贅沢な時間を味わうべきだった。
それが悔やまれる。

下りてから素女子時間が経過すると、少し元気が出てきて、冷たい炭酸飲料が飲みたくなったので、歩いて10分くらいの位置にある剣沢小屋まで行って、三ツ矢サイダーを注文。飲んでみたが、半分くらい飲んだところで気分がを悪くなり、少し捨てた。

戻って夕食を済ませ、早目の就寝
この日も、相変わらず雨粒がテントを叩く。ええかげんにせえよ。本当にうらめしい。

【4日目】

予定外の4日目を迎えた。
さっさと朝食を終え、荷造りをし、雨の止んだ隙にテントを撤収
室堂へと下山を開始した。

最初の剱御前小屋までの道は登りが続いて疲れたが、それから雷鳥沢までは一気に下った。
しかし、雷鳥沢からみくりが池に出るまでは、階段状の急登が続き、ここが苦しかった。
やはり、20キロ近い荷物を背負うと、上り坂では身体が悲鳴を上げる。
ようやく、室堂バスターミナルに到着し、すぐにバスに乗り込む。
この時点では、疲れは心地よいものに変わっていた。

立山駅に到着し、駅構内の土産物店で土産を買い、トイレを済ませて、車に乗り込む。
これからが最後の行程、超ロングドライブの始まりである。
立山インターチェンジに向かうが、車のカーナビもスマホのカーナビもボロで最初のうちは反応せず、少々不安だったが、道を間違えることなくインターチェンジに到着、ここからは、自宅近くの宍道インターまでひたすら自動車専用道を進む。私たちの田舎の交通も最近は快適になったもんだ。

途中、岡山県に入ったところで、右側から「ウーウー」というけたたましいサイレンの音。見れば、覆面パトが赤色灯を慣らして並走している。助手席の窓が開いて、何か合図をして、自分の車の前にバリケードをするように飛び出した減速を始めた。
60頃程度のスピードで10分くらいつられて走ったのち、大きな路側帯で止めさせられた。
28キロの速度違反だった。点数よりも反則金18000円が痛かった。

ということで、予定の20時に自宅に帰着
ちょっと最後は気分の悪い思いをしたが、自分が悪いので、しかたないな


連日の雨で、登山靴、靴下、ウェアが乾く前に、再度着て山に登ること3日。テンションが上がらず、苦い思いの連続だった。
こいうい状況を経験することが登山の醍醐味で楽しみでもあるということを無理やり自分に言い聞かせ続けたが、身体は正直で、食欲不振と下痢気味で、いまいちパワー不足が続いた。
疲れると胃腸が弱くなる体質であることを実感し、これからは、ビタミン、ミネラル、エネルギーが簡単に摂取出来て荷物にならない錠剤のサプリメントを用意しなければと思った。特にテント泊の自炊では野菜が欠乏するので、野菜の成分を錠剤で固めたものが欲しいと思った。

さて、来年はどこをターゲットにしようか。
一番行きたいのは、奥穂高・ジャンダルムだけど、少し無謀だろうか。
でも、歳をとって、体力が減退するまでには登っておかねば・・・・・
そう、「今しかない!」


【今回の行程】
●1日目(室堂→雷鳥沢)
 室堂(12:50)→みくりが池(13:00)→雷鳥荘(13:30)→雷鳥沢野営場(13:46)

●2日目前半(雷鳥沢→立山(雄山)→雷鳥沢)
 雷鳥沢キャンプ場(6:08)→一の越(7:52)→6分休憩(8:25)→雄山(8:44)25分休憩→縦走路へ→
 大汝山直前で悪天候のため縦走残念(9:28)Uターン→雄山(9:44)→
 一の越(10:25)→雷鳥沢キャンプ場(11:47)

●2日目後半(雷鳥沢→劔沢)
 雷鳥沢キャンプ場(13:40)→コース誤り時間ロス(13:43〜13:52)→雷鳥沢分岐(13:53)→
 雷鳥沢をひたすら登る→剱御前小屋(15:36)5分休憩→剱沢キャンプ場(16:22)

●3日目(劔沢→剱岳→劔沢)
 剱沢キャンプ場(5:10)→逆に向かい引き返すまで時間ロス(5:12〜5:20)→剱沢小屋(5:28)→
 剣山荘(5:58)5分休憩→一服劔(6:23)7分休憩→前劔(7:26)→カニのタテバイ直下(8:13)→
 先行の初心者パーティ2組がタテバイを占領し、30分近く待たされる(8:13〜8:37)→
 剱岳頂上(9:15)13分休憩→下山開始(9:28)→カニのヨコバイ(9:56)→前劔(10:30)→
 一服劔(11:16)→剣山荘(11:37)→剱沢小屋(12:04)→剱沢キャンプ場(12:16)

●4日目(劔沢→室堂)
 剱沢キャンプ場(6:33)→剱御前小屋(7:22)→休憩&行動食摂取(8:31〜8:43)→
 雷鳥沢キャンプ場(8:49)→雷鳥荘横通過(9:13)→みくりが池(9:45)→室堂(9:5
5)



ここから準備編→

まずは、テントの点検から
テント(左)と支柱(右)
とてもコンパクト


中身を出して盛る。
テント、フライ、支柱

テントを組み立ててみる

フライを被せる
愛用のモンベルのステラリッジテント(2人用)は、軽くて、丈夫で風雪に耐え、設営しやすいので、とても気に入ってます。


テント入口から内部を見たところ

さあ、畳みましょう


とりあえず、必需品を乱雑に置いてみた
んー、何か足りないような・・・

ザックに装備品を入れてみる
20キロは超えそう

     
ここから当日→

9/2 19:00過ぎに自宅を出発
山陰道→米子道→中国道を経由して、途中、4時間ほど仮眠をとった後、舞鶴若狭道5:43舞鶴市に入った

9/3 5:57 舞鶴若狭道をひたすら東進中

9/3 6:41 敦賀JCT
ここから北陸道へ

9/3 9:23 立山インターを出る

9/3 10:40 立山駅に到着
荷造りをして、いざ出陣


立山駅玄関

ケーブルカー終点の美女平
ここから高原バスに乗り換え


9/3 12:40 室堂バスターミナルに到着
予定を2時間もオーバーし、天候も悪いため、今日は剱沢まで行って劔登頂に挑戦するのを一日延ばし、手前の雷鳥沢でテントを張ることにした。


室堂から望む立山連峰
生憎の曇り空で、今にも雨が降り出しそう・・・


みくりが池


雷鳥沢方面から戻ってくる登山者
剱岳を登ってきたのか


地獄谷
硫黄臭でむせそうになる。


9/3 13:43 本日の幕営予定地、雷鳥沢キャンプ場が見えた。
平日とあって、テントの数は少ない

9/3 14:10 雷鳥沢キャンプ場に到着
沢側に陣地をとる。
奥に見えるのは管理小屋


テント設営完了


中に入って、とりあえずザックの中身をばらまく

翌日の午前に登る予定の立山方面を眺める。

9/4 6:00 雨の朝
夜中は豪雨に見舞われたが、何とか浸水もせずに持ちこたえてくれた。

相変わらずがやんとしたテント場
こんな天気じゃねぇ


6:15 立山(雄山)に向け、登山開始
ルートは、直接一の越へと伸びる南東ルート


ナナカマドの実は、もう赤く色づいており、秋の足音が確実に感じられた。

9/4 7:50 一の越に到着
悪天候の中、登山者の姿が見えた
昨日山荘に泊まった人たちか

9/4 8:44 雄山頂上に到着
小屋の中で少し休憩させてもらったが、所持金を用意していなかったので、お守りも替えず、お祓いもできず
小屋の中で応対をしていた巫女さんが若くて可愛くて、とても登山するような雰囲気ではなかった

 
雄山から行けるところまで縦走してみようと、20分近く歩いたが、大汝山直前で、悪天候のため断念


9/4 10:25 一の越へ戻ってきた

一の越山荘の脇の休憩用ベンチ
本来なら、ここからの眺望が素晴らしく、登山客で混雑するスペースだが、今日は人っ子一人いない・・・
 
雷鳥沢への復路


昼食後、テントを畳み、剱沢キャンプ場へと急ぐ
写真は、剱沢に入ったときのもので(15:40)、ここを下ると、もうすぐキャンプ場が見えてくる。


9/5 5:15 剱沢キャンプ場の朝
夜中は雨がテントをたたき続けたが、朝になり雲が晴れた。
これから登る劔岳のスケールに、身が引き締まる。


9/5 5:30 劔に向けて登山開始
朝日がそろそろ顔を出す。


9/5 5:47 朝日に照らされた一服劔・前劔・劔岳


9/5 5:58 剣山荘が見えた

剣山荘にて小休止
ここからが本当の劔道
他の登山者の装備を見て、気を引き締める。

 
9/5 7:00 前劔へのアタックを開始


9/5 7:26 前劔頂上
そのまま通過
 
9/5 7:30 前劔から剱岳山頂を望む
これからが正念場

 
これが噂のカニのタテバイ

 
9/5 8:40 タテバイを登る。
高度感はあるが、思ったほどの危険度はなかった。


9/5 9:30 劔岳頂上にて

劔岳からの眺望(南南東方面)
遠くに室堂が見える
その背後は
 
9/5 9:54 下りの名所、カニのヨコバイが近づいてきた

 
9/5 9:57 ニのヨコバイ直前
(ヨコバイの写真を撮るのを忘れた)


剱沢キャンプ場に帰着後、時間不足と疲労で、予定していた当日下山を断念
ここでもう一泊することに
たっぷりと時間が出来たので、周囲を散策

9/5 16:25 午前中に登った剱岳が靄に包まれていく


剣沢小屋前で一写


剣沢小屋前のこの位置から写真を撮る登山者が多い

 

9/6 6:36 一夜明け、急いで朝食、片付けをし、雨の止み間にテントを撤収
劔岳よ、さらば。また来るときにも笑っておくれー


9/6 7:47 2日前に幕営した雷鳥沢キャンプ場が見えてきた



9/6 9:40 帰りのみくりが池
行きと同様、どんよりと曇り空だったが、立山連峰の眺望は満喫できた。


9/6 9:55 室堂
「立山黒部アルペンフェスティバル」なるイベントが開催されていた。
ゆくり立ち寄りたかったが、明日からの仕事を控え、帰路を急いだ。


9/6 11:20 帰りのケーブルカーにて


立山駅に戻ってきた。
雨止まず・・・

9/6 12:52 土砂降りの北陸道をひたすら西進
帰宅予定は20:00

このあと、岡山県に入ったところで、覆面パトに速度違反で検挙され、28キロオーバーで反則切符を切られた。
 


今回の登山ルート