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苦しみを糧に 送信日時  2011/02/08 22:34
前回に引き続き、「苦しみ」のことについてお話します。

毎回、とても退屈でつまならい内容で、そろそろ文句のひとつも言いたいだろう。
だけど、決して消去したりせずに、保存しておいて欲しい。
あなたがもっと大人になってから、お父さんが死んでからでもいいから、必ず読み直して欲しい。
お父さんは、いつも真面目に考え、あなたに伝えたくて真剣に書いています。

○○のおばさんがよく言う。「最近は、苦労を不幸と思うのではなく、人生の勉強をさせてもらっていると思えるようになった」と。
おばさんは、最近では仏教の教えを人生の糧にしていて、特に瀬戸内寂聴さんの書物をいつも愛読しているそうだ。
若い頃に苦しみ、そして○○のおじいさんが亡くなって一人になったおばさんの心の置き場、悟りの境地だと思う。

お父さんは、おばさんとは少し考え方が違う。
苦しい経験に遭遇したとき、それを上手に乗り越えると、少しずつ人間の心は強くなると思う。
「上手に乗り越える」ということは、苦しみに真剣に向かい合い、自分から解決していくこと。
他人を基準にせず、他人と比較せず、他人を恨まず、苦しみを自分のこととして対処していく。
そうして苦しみを乗り越えると、人間は、それを糧に強くなると思う。

間違ってはならないのは、苦しみを他人に転嫁すること。
たとえ他人に影響されて苦しんでいるとしても、それは自分の行動の結果生じたもので、必ず自分に起因する。
そういう気持ちで苦難に立ち向かい、ひとつずつ乗り越えていけば、きっと素晴らしい人間に成長していくと思う。

苦しみはとても素晴らしいこと。うまく乗り越えることができれば、必ず心の栄養になる。
しかし、間違った乗り越え方をすれば、つまらない人間に変わっていく。

あなたには、苦しみを糧にして、素晴らしい人間になって欲しい。
苦しみを上手に経験してきた人ほど輝いて見える。
そういう人は、苦しみを、必要以上に辛いとは感じていない。
だから、苦労していても輝いている。笑顔であふれている。

つまらない人間は、常に苦しみを自分以外のせいにし、いたずらに心を振り回されている。
そして、ちょっとした苦労で不幸を感じてしまう。

昔の人は、困窮していたけど立派だった。
苦しみは、決して不幸ではなかった。
「苦労は買ってでもしなさい」とよく言ったが、本当に的を得ている。
苦しみを経験すればするほど、少しの安らぎで大きな幸せを感じることができる。
そういう心を、多くの現代人には欠けていると思う。