「買いだめ」はしたくない

2020年3月4日

世界中で新型コロナウイルスの脅威がニュースになっています。

政策的にまん延防止の措置が講じられていますが、個人でもこれ以上患者が増えないよう、各自でできうる限りの対策をとらないといけませんね。

私も、なるべく外出は控え、人の集まる場所へ出かける際には、必ずマスクを着用しています。
しかし、マスクを補充しようと、ドラッグストアーに行ってもマスクが売り切れです。どの店にも売ってません。通販でも買えない状況です。

マスクが売り切れた棚

全国民がマスクを必要としているので、品薄になるのは仕方ないですね。
また、マスクの約7割は中国などからの輸入品で、現地の流通網が機能停止してほとんど入らなくなったため、品薄に拍車をかけています。

こうした状況に置かれると、ほとんどの人間に「買い占め」「買いだめ」の心理が働きます。
我も我もと、必要以上の量を爆買いするため、本当に必要な人に供給できなくなってしまうのです。

思えば、1973年のオイルショックのときもそうでした。
「トイレットペーパーがなくなる」との噂がマスメディアに乗って全国的に広まり、瞬く間に国民全体が買いだめに走ったのです。
政府は、国民に買いだめ自粛を呼びかけましたが、あまり効果はなかったようです。
そして、この影響は、トイレットペーパーにとどまらず、洗剤や砂糖などの他の日用品にも波及したのです。

今回の新型コロナウイルスが引き起こした買いだめ心理も、マスクにはじまって、トイレットペーパーなどの紙製品にも波及しました。
「トイレットペーパーがなくなる」という情報は、全くのデマだったのですが、政府がいくら説明しても、この不安心理に歯止めがかからず、未だに品薄が続いています。

私は思うのです。
必要以上に買いだめする人の心理の根底には、「自分だけが良ければいい」という身勝手な意識があるからではないかと・・・

いつもなら商品が溢れるほど並んでいる店で、「品薄になる」との情報から売り切れが続出すると、人はみな異常事態だと感じます。そして「自分と家族を守らなければ」という心理が働くことで、こうしてみんなが大量買いに走ります。
マスクが家にたくさんあれば、個人のリスクは下がるでしょう。でも、その結果、社会全体が危険にさらされることになるのです。

そういう中で、買いだめに走らなかった多くの人たちは、人間として強く、思いやりに満ちた、思慮深い人たちなのだと思います。
私は、そうした「買いだめをしない人」になりたいといつも思っています。
だから、今回のマスク事件でも、必要以上のマスクを家に溜め込まず、ひたすら静観していました。
それにより、ひとりでも多くの高齢者や入院患者など、本当にマスクを必要としている人に少しでも多く供給できれば、それが私の満足につながります。

こんな考え方は、所詮きれいごとですね。
偽善と言われるかもしれません。
それでも私は、物を買い占めて心の片隅にひっかかりを感じるよりも、少し不自由でも品薄になった物の供給を待つ方を選択します。

こうして私は、愚直に生きていこうと思います。